子なし文学

結婚

末井昭の結婚、ようやく図書館の貸出の順番が回ってきて、速攻読了。 その日、私は夫に腹を立てていた。だから、ほとんど口もきかず、不貞腐れて本に隠れていた。 怒りの炎を燃料に、久しぶりに集中力してあっという間に読了した。考えてみれば、私が神蔵美…

無教養な人間なので、この歳になって、夏目漱石の「門」を初めて読んだ。 「門」を読んだことのある人には何を今更であろうが、この小説も子なしの物語なのである。 はじめは2人の間に何があるのかわからない。ただ主人公の妻の御米が子供ができないことをと…

東京の夫婦

東京の夫婦、ようやく図書館の貸出の順番が回ってきて読了。 思った以上に、子供を持たない夫婦、というのが前面に出ている作品。 子供を持たないことを声高に主張しなければいけないほど、松尾がその事にわだかまりを抱いているということなのだろう。葛藤…

「傘をひらいて、空を」

kasasora.hatenablog.com 昔から好きなブログ。はてなダイアリー時代から読んでいる。 こんなに沢山の物語を紡ぐことができるなんて、しかも全てのストーリーにリアリティがあるのだ。 どこか高いところから、世界中を見下ろしているかのように。 作者の知性…

小倉千加子

最近の小倉千加子は何をしているのだろう。 これといった記事があまり出てこない。しかし自治体などに呼ばれて講師などしている様子は伺える。お元気そうで何よりである。 先日図書館で、彼女の最も新しい単著「醤油と薔薇の日々」を見かけて、久しぶりに彼…

たまもの

結婚して早2年。ようやく結婚生活にも慣れてきました。結婚によって得たもの、失ったもの、色々ありますが、得たものはおいおいとして、失ったものの中で最も大きく残念なのは、言わずもがな、自分の時間。もっとカッコつけて言えば、内省の時間。文学の時間…