松尾スズキの嫁問題
先日、ある雑誌の書評欄で松尾スズキの新刊のことを知った。
昔、ロッキングオン(ジャパンだったかも)で連載してた「この日本人に学びたい」という本が大好きで、何回読んでも涙が出るほど可笑しかった。当時、松尾スズキのこの本と、リリー・フランキーの「女子の生きざま」は私の二大愛読書だった。(知能指数低め)
しかしある日突然、私の松尾スズキ熱はぱたりと冷めて、その後の作品は全く読んでない。もちろん演劇を観たこともない。
のであるが、私の頭の片隅には常に松尾スズキをウォッチしなければという強迫観念があった。
過去の作品によく出てきてた美人妻と離婚したというニュースを聞いたときは、感慨深かったものだ。
で、新刊「東京の夫婦」の話である。
といっても私はまだこの本を読んでいない。
私が反応したのは、この本の書評にあった「子供を持たない選択」というテーマについてだった。
彼の今の妻と結婚した理由も、その意思を尊重してくれたから、だというのだ。
そうなのかぁ・・・でもどうなのかなぁ。
20歳年下ということはまだ30代前半だ。結婚した時点ではその彼の選択に同意することにさほど葛藤はなかったかもしれない。
だけど、本当に子供が産めなくなるかもしれないと感じ始める30代後半になったとき、この奥さんの気持ちに変化が現れないと言えるだろうか。他人事ながら少し心配になる。
男はいいのだ。たとえ60になってから「やっぱり俺、子供欲しい!」ってなっても、生殖機能でいえば結構な確率で子供が持てる。
だが女性は違う。女性は結婚できる年になってから、子供が産めなくなるまでに、わずか20年ちょっとしか猶予がない。
だから焦る。真剣に考える。
そしてしばしば、離婚して次の男性を探すという手段をとる。
なので、私には自分が死んだ後の妻のことを心配する松尾スズキが結構滑稽に思える。
一番心配しなきゃいけないのは、自分の介護かもしれないのに。
まぁ彼くらい才能のある人なら、おしめを変えたい女は引きも切らずなのでしょうが。