マクロンの嫁とオトナの国フランス幻想

最近、フランス女性は何ちゃらみたいな本を立て続けに読んでいる。
このフランス女性は何ちゃら本で、毎回、必ず出てくるエピソードが、フランスでは女性を年齢で判断しない、むしろ、内面が魅力的な女性は歳を重ねるほどに美しくなるし、男性にもモテる、というやつだ。
そしてそれを裏付けるかのように、新しく誕生したフランス大統領の妻は夫より20をはるかに上回る歳上で、しかも彼が高校生の時に出会った彼女は既に子持ちの40代既婚というステータスだったという。
この話に世界中の年配女性が飛びついたのは言うまでもない。


最近観た映画は、フランスのカンヌからパリまでのロードムービーで、当然ながら主人公は十分魅力的な中年女性で、しかし夫には女としては見向きもされなくなっており、いわゆる中年の危機真っ最中なのだが、ひょんなことから共に旅することになるプレイボーイのフランス人の独身男性にもこれでもかというくらいチヤホヤしてもらうという、中高年女性の妄想が爆発した映画だったのだが、妄想度で言えば先日紹介した恋愛適齢期にはちょっと敵わない。何しろ中年女性が中年男性にモテるという設定なのだから、世の中に普通に無くはないという話である。

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そして先日放たれた文春砲は山浦代議士の不倫ニュースで、こちらもお相手は年下のエリートイケメン弁護士というのだから、世のおばさまがたの妄想が全力疾走するのは想像に難くない。

最初の話に戻ると、フランスでは成熟した女性がモテるというのは本当のことなのだろうか。随分と人間の本能を押し殺した傾向だと思う。確かに日本のように1億の半分が総ロリコンみたいな社会はそれはそれで異常だが、性欲の源は生殖欲求なのだから、生殖能力の高い若い女性がモテるのは別に偏見でも変態でも何でもない。

多分、フランスでも若い女性が性的な対象としてモテるのは日本と変わらないだろう。
ただ、学生時代から死ぬほど哲学とか勉強させられてきている彼らの中でも特にインテリ層は、同時に知的な満足も求めている。その左脳の方に集中すれば、スイも甘いも経験しつくした妙齢の熟女にも一定のニーズがあるということなのだろう。

だとしたら、中身がスカスカな熟年女性がたとえフランスに行ったからって別にモテるわけもないし、むしろその教養のなさが際立って恥ずかしい思いをするというのがリアルだろうが、我が同胞は歳を重ねた分だけは、厚みを増した腹の肉に負けず劣らず内面も充実してると思い込みたいのである。まぁそれがババアのババアたる動かぬ証拠なのである。

実るほど頭を垂れる稲穂かな、を今一度噛み締めておこうと反省して今日は筆を置く。