5時から7時の恋人カンケイ

「5時から7時まで」と言われれば、もちろんアニエス・ヴェルダの「5時から7時までのクレオ」。

 

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だがこの映画は全くそれとは関係ない。

以下、ネタバレありまくりです。

 

 

 

 

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どころか、「平日の5時から7時」というのは、フランス語では不倫を指す隠語だとか。仕事が終わって夕食までの間ってことですかね・・・なるほど。

 

ニューヨークを舞台に、自由奔放な人妻パリジェンヌと真面目なアメリカ人青年の恋の行方を描いた大人のラブストーリー。ニューヨークで暮らす作家志望の青年ブライアンは、街角で煙草を吸っていたフランス人女性アリエルに一目ぼれし、声をかける。2人はすぐに意気投合するが、実はアリエルは2人の子どもを持つ人妻だった。アリエルから「5時から7時の不倫関係」を提案されたブライアンは、戸惑いながらも彼女と付き合いはじめるが……。

 

見知らぬ二人が街中で一目見るなりお互いに一目惚れ、というおとぎ話。

正直、私には主人公のブライアン*1は少しもいい男に見えないし(いい人そうではあるが)、一目惚れ相手のフランス人外交官夫人アリエルも、11歳からモデルをしてたという設定の割には下半身デブの大根足で、頭も大きくスタイルが悪い。*2

しかしこういうジャンルって何ていうんでしょうね?

私の中では「ニコラス・パークスもの」という分類なんですけど。

大人女子の胸キュンストーリー?

案外アメリカ人もこういう超絶メロドラマって好きなのねぇ・・・。

 

ところで、ブライアンがアリエルに求婚するこの作品のハイライト、そこでブライアンより9歳年上のアリエルが言うんですよ。

 

「あなたが34歳のとき、私は43歳よ。10年後には53歳、更に10年後には63歳・・・」

 

散々大人の恋愛を説いて24歳の若者を不倫に引きずり込んでおいて、今更歳がとうのこうのとか言うか?ハイソサエティのフランス女が。絶対言わないでしょ。その発想がいかにもアメリカ人なんだよ!

(だがそう言われたブライアンの答えが「40代は最も女性が美しい年代だ」「僕としては50代が一番美しいと思う」と反論していくのが素晴らしい。さすが年上キラー!(笑)・・・ま、個人的には女性が一番美しいのは34歳あたりだと思いますがね。)

 

何はともあれ、二人は夫の金で高級ホテルでイチャイチャし、その間にブライアンはかの「NewYorker」で新人賞を受賞し、本を出版するコネまでつくって、何もかもとんとん拍子です。

で、調子に乗って彼女にプロポーズするんですけど、その時に選んだリングがDiorのBois de Rose。

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 (こちらからお借りしました)

www.dior.com

 

本当に婚約指輪に選ぶならもっと立派なものを選ぶけど・・・と言いながら差し出されたリング。はーんと鼻白む貧乏人の私。

ともかく、私はてっきりこのリングはサンゴをイメージしたもので、ブライアンが「アリエル」の名前にかけてるんだとばっかり思ってましたが、

 

・・・バラの茎なのよね、これ。

 

・・・なぜわざわざこんな個性的な指輪を?

 

そして二人が再開する最後のシーンで、手袋を外すとそこには一度は突き返されたあの指輪が。

 

ゲー・・・と思う私。

 

だってブライアンは結婚してすぐ横には乳母車おしてる奥さんいるのよ。

もちろんアリエルも夫と子供二人づれ。

アリエルにとってブライアンは夫・子供公認の「ラバー」だったから良しとしても、ブライアンの奥さんは絶対知らないでしょ?自分が常に旦那のNo.2だなんてこと。

最低だわ、この二人・・・って無粋な日本人の私は思ってしまいました。

 

どうでもいいけど、「アリエルを頼む」と言って外交官(夫)から渡された25万ドルの小切手、ちゃんと返したのかしら?ブライアン。

 

*1:演じるアントン・イェルチンはこの映画のわずか2年後に交通事故死

*2:それでもボンドガールなので、私の主観でしかないのかも。